病気を理由に「もう無理だ」と諦めかけた時：夢や目標との新しい向き合い方
「やりたいこと」や「目標」を胸に抱きながら日々を過ごされている皆様へ。
病気という状況に直面した時、これまで描いていた未来が急に見えなくなり、夢や目標を諦めざるを得ないのではないかと感じ、深い無力感に襲われることは少なくありません。私も同じような経験をしてきました。この体験談が、今まさに同じような状況で苦しんでいらっしゃる方々にとって、少しでも心の支えとなり、希望を見つける一助となれば幸いです。
病気判明と直後の感情：遠ざかる夢
病気が判明した時、最初に感じたのは、信じられないという気持ちと、これまでの人生計画が音を立てて崩れていくような絶望感でした。当時、私はキャリアアップのための資格取得を目指し、それに向けて日々勉強を重ねていました。同時に、長年温めてきた海外でのボランティア活動への参加も計画しており、その実現に向けて貯蓄も進めていたのです。
しかし、診断を受け、治療方針を聞いた瞬間、それらの夢が一気に遠のいていくのを感じました。治療に専念するためには、勉強時間を確保することも、海外へ渡航することも、現実的に不可能であると突きつけられたのです。「なぜ今、自分が」という悔しさや、「もうこれまでのように生きられない」という喪失感が、胸を締め付けました。
具体的なストレスとその向き合い方：見えない壁と無力感
病気によって私が感じたストレスは、身体的な辛さだけではありませんでした。最も大きかったのは、「思い描いた自分になれない」という精神的な落ち込みです。 勉強に集中できない、体力的に無理ができない、計画を立てても体調の波に左右される。これまでの「できるはず」という感覚が通用しなくなり、「自分にはもう無理だ」「きっとこれからも何も成し遂げられない」という、根拠のない悲観的な思考に囚われるようになりました。
SNSで同世代の友人が活躍している姿を見るたびに、「自分だけが立ち止まっている」と感じ、焦りと孤独感を深めていきました。最初は、無理にでも以前と同じように振る舞い、勉強を続けようとしましたが、それはかえって心身に大きな負担をかけ、さらに自己嫌悪に陥る結果となりました。目標を達成できない自分を責め、次第に何も手につかなくなる悪循環に陥っていったのです。
克服・軽減の道のり：手放す勇気と新しい光
そのような状況から抜け出すきっかけとなったのは、ある日、信頼できる医師から言われた「今は、頑張る時ではなく、自分を労わる時です」という言葉でした。その言葉が、私の凝り固まった心を少しだけ解き放ってくれたように思います。
私はまず、無理に頑張ろうとするのをやめ、一旦すべての目標から距離を置くことにしました。そして、漠然とした大きな目標ではなく、「今日できること」「今の自分にできること」に焦点を当てるように意識を変えたのです。
例えば、資格取得の勉強は一度中断し、その代わりに、体調が良い日に短時間だけ、興味のある分野のオンライン講座を聴いてみることから始めました。海外ボランティアの夢も、すぐに実現することは難しいと認め、代わりに、国内でできる小さな地域貢献活動に目を向けてみました。
この過程で気づいたのは、「諦める」ことは「手放す」ことでもあり、手放すことで新しい可能性が見えてくるということです。焦らず、自分自身のペースを尊重し、時には専門のカウンセリングも受けながら、心の整理をしていきました。また、同じ病気を抱える方々のコミュニティに参加し、体験談を共有する中で、「自分だけではない」という大きな安心感を得ることができました。彼らの話から、夢の形は一つではないこと、病気と向き合いながらも自分らしい幸せを見つけるヒントをたくさん得ることができたのです。
現在と読者へのメッセージ：形を変えても、光は消えない
現在の私は、あの頃のような焦りや絶望感は感じていません。もちろん、体調の波はありますが、それを受け入れ、その日の自分にできることを見つける柔軟な心を持つことができています。
資格取得の夢は、ペースを落としつつも再開しました。以前のように短期間での取得は難しいかもしれませんが、じっくりと知識を深める楽しさを見出しています。海外ボランティアの夢も、現地に行く形ではなく、オンラインで国際協力に携わる方法があることを知り、新たな目標として温めています。
病気によって、これまで当たり前だと思っていたことができなくなり、夢や目標の形が変わることもあるでしょう。それは決して「諦め」ではなく、新しい「可能性」を見つけるプロセスなのだと、今ではそう感じています。
もし今、あなたが夢や目標を諦めかけていると感じていらっしゃるなら、どうかご自身を責めないでください。まずはご自身の心と体を労わり、焦らずに一歩立ち止まってみてください。そして、「こうでなければならない」という固定観念を手放してみることで、きっと今まで気づかなかった新しい光、あなたらしい夢の形が見つかるはずです。私たちは一人ではありません。このサイトが、その光を見つけるための一歩となることを心より願っています。