病気で失われた「自分時間」と楽しみにしていた計画:落胆を乗り越え、日常に新しい光を見つけるまで
病気という診断を受けた時、それは未来の計画が真っ白になるような衝撃でした。治療が始まることへの不安はもちろんありましたが、それ以上に、以前のように自由な時間が過ごせなくなるのではないか、楽しみにしていたことができなくなるのではないかという漠然とした恐れを感じていたことを覚えています。
病気判明と直後の感情
病気が判明してすぐの頃は、治療のこと、今後の生活のこと、仕事のことなど、様々な不安が頭の中を駆け巡りました。その中でも、特にストレスになったのは、「これまで当たり前にできていたことが、もうできなくなるかもしれない」という感覚でした。友人との旅行、楽しみにしていたライブ、毎週末の趣味の時間。些細なことかもしれませんが、こうした「自分時間」や計画が、自分という人間を形作っていた一部のように感じていたのです。診断後、体調が不安定になったり、通院や治療のスケジュールが入ったりすることで、実際にいくつかの計画をキャンセルせざるを得なくなりました。その度に、言葉にできないほどの落胆を感じました。それは、病気そのものによる辛さとはまた違った、喪失感のようなものでした。
具体的なストレスとその向き合い方
病気や治療によって感じたストレスは多岐にわたりますが、楽しみにしていた計画が変更または中止になることによるストレスは、私の心に大きな影を落としました。
例えば、数ヶ月前から計画していた友人との温泉旅行が、治療のタイミングと重なりキャンセルになった時は、本当にショックでした。友人に申し訳ない気持ちと、自分だけ置いていかれるような孤独感を感じました。「どうしてこのタイミングで…」と、病気になった自分を責めてしまうこともありました。
また、週末の趣味の時間を持てなくなったことも辛かったです。体力がなくなり、以前のように長時間集中したり、外出したりすることが難しくなりました。家で過ごす時間は増えましたが、体調が優れないと何もする気になれず、ただ時間が過ぎていくことに焦りを感じていました。
こうしたストレスに対して、最初は「病気に負けたくない」と無理にでも以前と同じように振る舞おうとしたり、体調が悪いことを隠して計画を実行しようとしたりしました。しかし、結局は体調を崩し、かえって状況を悪化させてしまうことがほとんどでした。無理がたたると、さらに自己嫌悪に陥り、ストレスは増すばかりでした。
克服・軽減の道のり
試行錯誤の中で、私は「以前と同じようにできないこと」を受け入れることの重要性に気づき始めました。完璧主義だった私にとって、これは非常に難しいことでした。しかし、無理を続けることの限界を痛感し、少しずつ考え方を変えていきました。
小さな「できること」に目を向ける
大きな計画ができなくなった分、日常の中に小さな楽しみを見つけることに意識を向けました。例えば、旅行に行けなくても、近所のカフェで美味しいコーヒーを飲む時間を大切にしたり、家で好きな音楽を聴きながらゆっくり過ごしたり。趣味についても、以前のように長時間できなくても、10分でも良いから好きなことに触れる時間を作りました。小さなことですが、これらが積み重なることで、失われた時間への落胆が少しずつ和らいでいきました。
計画の柔軟性を持つ
予定通りに進まないことが増えたことで、先のことをガチガチに計画することをやめました。その代わりに、「体調が良ければこれをしよう」「ダメだったら家でゆっくりしよう」というように、複数の選択肢を持つようになりました。計画通りにいかなくても自分を責めず、「今日は休む日だったんだな」と受け入れられるようになったのです。
気持ちを正直に伝える
楽しみにしていた計画が中止になった時、友人や家族に素直に「すごく楽しみにしていたから、できなくなって残念」という気持ちを伝えるようにしました。以前は「大丈夫だよ」「気にしないで」と強がっていましたが、自分の正直な気持ちを伝えることで、周囲の理解が得られやすくなり、孤独感が軽減されました。また、病気についてオープンに話すことで、無理な誘いを断りやすくなり、ストレスを減らすことにも繋がりました。
現在と読者へのメッセージ
現在も、体調の波はありますし、時には計画通りにいかないことへのストレスを感じることもあります。しかし、以前のように必要以上に落ち込んだり、自分を責めたりすることは少なくなりました。失われた時間や計画に囚われるのではなく、今できること、今の体調で楽しめることに目を向ける大切さを学びました。
同じように、病気によって楽しみにしていたことができなくなり、落胆やストレスを感じている方もいらっしゃるかもしれません。先の見えない状況の中で、計画が立てられないことや、以前のように活動できないことに焦りや無力感を感じることもあると思います。
でも、どうか自分を責めないでください。思い通りにならないのは、あなたのせいではありません。大切なのは、無理をせず、今の自分自身の心と体調を大切にすることです。大きなことができなくても、日常の中には必ず小さな喜びや新しい光を見つけることができます。
あなたのペースで、少しずつ、今できること、楽しめることを見つけていってください。そして、時には誰かに頼ったり、気持ちを話したりすることも大切です。このサイトのように、同じような体験をした人たちの声に触れることも、きっとあなたの心の支えになるはずです。
あなたが、日常の中に自分らしいペースと、小さな希望を見つけられるよう、心から願っています。