病気で諦めかけた趣味、新しい形で取り戻し、自分らしい時間を見つけるまで
病気による活動制限のストレスを乗り越えて:自分らしい楽しみ方を見つける道のり
病気によるストレスや不安を抱えていらっしゃる皆様へ。 私は、病気によってこれまで当たり前にできていた活動や、長年続けてきた趣味を制限された経験があります。身体が思うように動かせなくなったり、以前のような体力や集中力が続かなくなったりすることで、「もう自分には何もできないのではないか」と感じ、深い喪失感に苦しみました。
この体験談が、同じように病気による活動制限のストレスと向き合っている方にとって、少しでもお力になれたり、共感する場所になったりすれば嬉しく思います。
病気判明と趣味への影響
私の病気が判明したのは、数年前のことです。診断名を告げられた時は、頭が真っ白になり、治療への不安や、これからどうなるのだろうという不確かさに心が揺れました。それに加えて、医師から病気による身体機能の制限について説明を受けた時、私は大きなショックを受けました。
なぜなら、私が長年ライフワークとして情熱を傾けてきた趣味が、その制限によって継続が難しくなる可能性があったからです。それは身体を積極的に使う活動で、私にとって単なる趣味以上の、生きがいとも呼べるものでした。診断を受けた直後は、病気そのものへの不安と同じくらい、「これができなくなるかもしれない」という喪失感に打ちひしがれていました。
具体的なストレスと向き合い方
病気が進行するにつれて、身体は少しずつ以前のように動かなくなっていきました。具体的には、長時間立っていることが難しくなったり、以前のようなペースで動くとすぐに疲れてしまったり、特定の動作ができなくなったりしました。
これにより、私の趣味にも大きな影響が出始めました。一緒に活動していた仲間とのペースに合わせられなくなり、次第に遠慮するようになりました。無理をして参加すると、後で体調を崩すこともありました。
この時期に感じたストレスは、主に以下のようなものでした。
- 喪失感と絶望: 「もうあの頃の自分には戻れない」「好きなことができない人生になってしまった」という強い喪失感と、未来への絶望感。
- 孤独感: 趣味の仲間との間に距離ができてしまい、活動から取り残されているような孤独を感じました。
- 焦りと苛立ち: 身体が思うように動かない自分自身に対する焦りや、以前のようにできないことへの苛立ち。
- 無力感: 時間があっても体力や気力が続かず、何かを始めようと思ってもすぐに疲れてしまうことへの無力感。
当初、私はこの状況を受け入れられず、無理にでも以前と同じように活動しようとして、体調を崩すことを繰り返しました。休むことへの罪悪感や、「頑張りが足りないのではないか」という自責の念も抱いていました。
克服・軽減の道のり:新しい「できること」を見つける
このような試行錯誤の中で、私は「以前と同じように」にこだわりすぎている自分に気づきました。そして、完璧にできなくても良い、いや、もはや以前と同じようにはできないのだという現実を受け入れることから始める必要があるのだと、少しずつ理解していきました。
考え方を変えるきっかけになったのは、同じ病気を持つ方のオンラインコミュニティに参加したことです。そこで出会った方々が、病気と共存しながらも、それぞれのペースで楽しみを見つけ、活動を続けていることを知りました。「できないこと」を数えるのではなく、「今の自分にできること」に目を向けている、という言葉にハッとさせられました。
そこから、私のストレスとの向き合い方が変わり始めました。
- 趣味の「新しい形」を模索する: これまで身体を動かすこと自体が中心だった趣味を、別の角度から見ることにしました。例えば、直接プレーすることは難しくなっても、観戦することを楽しんだり、若い世代のサポートに回ったり、その趣味に関する知識を深めたりする時間を持つようになりました。
- ペースを調整し、小さな目標を設定する: 無理はせず、体調の良い日にできる範囲で少しだけ活動するようにしました。短い時間でも何かを成し遂げられると、小さな達成感を得られ、自信につながりました。
- 新しい趣味や活動に挑戦する: 以前は時間がなくてできなかった、身体への負担が少ない趣味(読書、絵を描くこと、オンラインでの交流など)に挑戦してみました。これが、新しい世界を開いてくれることにつながりました。
- 感情を言葉にする: 信頼できる家族や友人、そしてコミュニティで出会った人々に、正直な気持ち(喪失感、不安、焦り)を話しました。話を聞いてもらうだけで心が軽くなり、一人ではないと感じることができました。
これらの取り組みを通じて、私は「好きなことができない人生」になったのではなく、「好きなこととの新しい付き合い方を見つける人生」になったのだと気づくことができました。以前と同じ形ではなくても、工夫次第で自分らしい時間を取り戻せる、あるいは新しい自分らしい楽しみを見つけられるのだと分かったのです。
現在の心境と読者の皆様へ
現在、私は病気と向き合いながら、以前とは違う形ではありますが、趣味のある生活を送っています。身体的な制限はありますが、「できないこと」に囚われるのではなく、「今、できること」に焦点を当てることで、心穏やかに過ごせる時間が増えました。新しい趣味から得られた発見や、人との新たな繋がりも、私の日々を彩ってくれています。
病気によって、これまで大切にしてきた活動や趣味から離れざるを得なくなった時、心には深い穴が開いたように感じるかもしれません。喪失感や絶望、孤独を感じることは、決して弱いことではありません。それは、あなたがこれまで情熱を傾けてきた証拠です。
もし今、あなたが活動制限によるストレスと向き合っているのであれば、焦らず、まずはその辛い気持ちを認めてあげてください。そして、もし少しでも心に余裕ができたら、小さな一歩からで良いので、「今の自分にできることは何だろう?」と問いかけてみてください。それは、趣味の新しい形かもしれませんし、全く新しい何かかもしれません。すぐに答えは見つからないかもしれませんが、探求する過程自体が、あなたらしい時間を取り戻すきっかけになる可能性があります。
あなたは一人ではありません。同じように悩み、そして少しずつ自分らしい道を見つけている人が、きっといます。どうぞご自身を大切に、そして希望を捨てずに、あなたらしいペースで歩んでいってください。応援しています。