病気がもたらす予測不能な体調の波:揺れる心と計画、その中で見つけた自分らしい歩み方
はじめに
この度は、「ストレスとの声、みんなの体験談」にお越しくださり、ありがとうございます。
私は、病気と診断されてから、これまでの生活が一変し、様々なストレスと向き合う日々を送ってきました。特に、体調が予測できない「波」のように変動することに、長く悩まされてきました。
もしあなたが今、病気によって体調が不安定で、将来の見通しが立たない不安や、思うように計画が進まない焦りを感じているとしたら、私の体験が少しでもお役に立てるかもしれません。ここでは、私がどのように体調の波と向き合い、心の揺れや計画の難しさを乗り越えていったのか、その道のりをお話ししたいと思います。
病気が判明した時の感情と直後のストレス
病気が判明した時、正直なところ、頭が真っ白になりました。診断名を聞いた瞬間は、まるで現実のことではないように感じたことを覚えています。これからの治療や生活の変化について考えると、得体の知れない不安が襲ってきました。特に辛かったのは、この先どうなるのか、全く予測がつかなかったことです。
診断直後は、治療について調べたり、今後の生活について考えたりと、情報収集に追われました。その過程で、自分の病気には日によって体調が良い時と悪い時がある、いわゆる「波」があることを知りました。そして、その予測できない体調の変動が、私の心と計画に大きなストレスをもたらすことになるのです。
具体的なストレスと向き合い方
病気による体調の波は、私の日常生活に様々なストレスをもたらしました。
まず、予測できない体調の変動そのものが大きなストレスでした。朝は調子が良いと思っても、午後には急に倦怠感が強くなったり、前日は元気だったのに、今日はベッドから起き上がれないほど辛かったり。この「今日の自分」が分からないことが、常に不安定な気持ちにつながりました。
次に、計画を立てることの難しさです。友人との約束、通院以外の予定、少し先の旅行、あるいは仕事や家事の段取りなど、何かを計画しても、その日の体調で実行できるかどうかが分かりません。体調が良い日を期待して計画を立てては、結局体調が悪くてキャンセルせざるを得ない、ということが度々起こりました。これは、自分だけでなく、約束した相手にも迷惑をかけてしまうという罪悪感や、落ち込みにつながりました。
また、体調の悪さを周囲に理解してもらいにくいことも辛かったです。見た目には元気そうに見えることも多く、「なぜ昨日はできたのに、今日はできないの?」と疑問に思われたり、怠けていると思われているのではないかと感じてしまうこともありました。自分の辛さを言葉にするのが難しく、孤独を感じることもありました。
こうしたストレスに対し、当初私は「体調が良い日を無駄にしてはいけない」と無理に活動したり、「どうせ体調が悪くなるかもしれないから」と何も計画しないようになったり、極端な行動をとることが多かったです。しかし、無理をすれば後で必ず体調を崩し、何も計画しなければ虚無感だけが募り、どちらも上手くいきませんでした。
克服・軽減の道のり
試行錯誤の中で、体調の波によるストレスを軽減するために、いくつかの方法を試みました。
最も大きかったのは、「予測できないこと」を完璧にコントロールしようとするのを諦めることです。体調の波は、自分の意志ではどうにもならない。この事実を受け入れることから始めました。
その上で、計画の立て方を変えました。「絶対〇〇をする」という rigid な計画ではなく、「体調が良ければ〇〇をしよう」「もし体調が悪くても、これだけはやってみよう」というように、柔軟性を持たせた計画に変えたのです。予定を詰め込みすぎず、休息のための「余白」を意識的に作るようにしました。
また、体調の波を記録することも始めました。毎日の体調を簡単に記録することで、自分の体調に一定のパターンがあることに気づくこともありましたし、予測できない中でも「こういう時は体調が崩れやすいかもしれない」と少しずつ傾向を掴めるようになりました。これは、体調管理のヒントになっただけでなく、「分からない」という漠然とした不安を少し和らげてくれました。
周囲への理解を求めることも、勇気を出して行いました。親しい友人や家族には、体調に波があること、約束の直前でも体調によって変更をお願いする可能性があることを伝えました。最初は戸惑いもありましたが、正直に話すことで、理解してくれる人もいるのだと知りました。全ての人に理解してもらうのは難しいと割り切りつつ、大切な人たちとの間に信頼関係を築く努力を続けました。
そして、体調が悪い時に「休む」ことを自分に許すという、当たり前のようで難しかったことができるようになりました。以前は休むことに罪悪感を感じていましたが、「休むことは決して怠けではなく、回復のために必要なことだ」と、意識的に自分に言い聞かせました。
これらの取り組みを通じて、体調の波そのものがなくなったわけではありませんが、それに伴う焦りや不安、自分を責める気持ちは少しずつ軽減されていきました。完璧に計画通りに進まなくても良い、「今の自分にできること」に目を向けることができるようになったのです。
現在の心境と読者へのメッセージ
現在も、私の体調には波があります。ですが、以前のようにその波に翻弄され、心を大きく乱されることは減りました。体調が良い日には、無理のない範囲で活動を楽しみ、体調が悪い日には、自分を責めずに休息することを大切にしています。
体調の波がある中で生活していくことは、確かに容易なことではありません。先の見えない不安や、計画通りにいかないもどかしさを感じることもあると思います。でも、どうか自分を責めないでください。体調の波は、あなたのせいではありません。
完璧な計画を立てられなくても大丈夫です。全てを予定通りに進められなくても大丈夫です。大切なのは、その時のあなたの体調を最優先に考え、自分に優しくあることです。今日できなかったことがあっても、また明日、体調が許せば挑戦すれば良いのです。
予測できない体調の波の中で、自分らしいペースを見つけることは可能です。小さな一歩でも良いので、まずは今の自分にできること、自分を大切にする方法を試してみてください。一人で抱え込まず、信頼できる人に話を聞いてもらったり、同じような経験を持つ人たちのコミュニティで気持ちを共有したりすることも、大きな支えになるはずです。
この体験談が、体調の波と向き合うあなたの心を、少しでも温かく照らす光となれば幸いです。あなたは一人ではありません。一緒に、自分らしい歩み方を見つけていきましょう。